目次
1. いくらぐらいの控除になるのか
未成年者控除・障害者控除は、対象者の年齢や障害の区分によって金額の幅が大きく、数十万円のこともあれば1,000万円を超えることもあります。後述の計算例のとおり、年齢が若いほど(または障害の程度が重いほど)控除額は大きくなる仕組みです。まずは計算の仕組みから見ていきます。
2. 計算の仕組み
相続人が18歳未満の場合、次の計算式で求めた金額を、その相続人の相続税額から差し引くことができます。
相続人が障害者の場合は、次の計算式です。
特別障害者:20万円 × (85歳-相続開始時の年齢)
いずれも年数に1年未満の端数がある場合は切り上げます。2022年4月の民法改正で成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、未成年者控除の基準年齢も18歳になっています。「特別障害者」は障害の程度がより重い方が該当し、身体障害者手帳1・2級などが目安になります(具体的な該当区分は要確認)。相続人が18歳未満の障害者である場合は、両方の控除を併用できます。
3. 【計算例】10歳の特別障害者のお子さんのケースを最後まで追う
相続開始時に10歳で、特別障害者に該当するお子さんが相続人になったケースを想定します(実際の控除額は年齢・区分・本人の相続税額によって変わる概算の一例です)。
| 段階 | 内容 | 金額 |
| ① | 未成年者控除:10万円×(18歳-10歳) | 80万円 |
| ② | 障害者控除(特別障害者):20万円×(85歳-10歳) | 1,500万円 |
| ③ | 控除額の合計(①+②) | 1,580万円 |
| ④ | お子さん本人の相続税額(設例) | 300万円 |
| ⑤ | 控除しきれない金額(③-④) | 1,280万円 |
| ⑥ | 扶養義務者(親等)の相続税額から差し引ける金額 | 最大1,280万円 |
この試算例では、控除額の合計(1,580万円)がお子さん本人の相続税額(300万円)を大きく上回ります。この場合、控除しきれなかった1,280万円は、扶養義務者(親・配偶者など)の相続税額から差し引くことができます。年齢が若い、または障害の程度が重いほど、こうした調整が必要になるケースは珍しくありません。
4. 【グラフ】年齢・区分でどれだけ変わるか
5. 自分で計算するときに間違えやすいところ
成年年齢の改正前(20歳基準)のまま計算してしまう
2022年4月以降に相続が開始した場合は18歳基準です。古い情報や計算ツールを使うと誤った金額になることがあります。
控除しきれない分を扶養義務者から差し引けることを知らない
本人の相続税額が控除額より少ない場合でも、諦めずに扶養義務者の相続税額から差し引けることを確認しましょう。
障害者手帳の等級と「特別障害者」の該当区分を混同する
一般障害者と特別障害者では控除額が2倍異なるため、該当区分を誤ると控除額を少なく見積もってしまうことがあります。手帳の等級等をもとに正確に確認することが大切です。
6. よくある質問
Q. 未成年者控除・障害者控除の対象になるのは、法定相続人だけですか?
A. 原則として法定相続人であることが要件です。相続放棄をした人は対象外ですが、代襲相続人などは要件を満たせば対象になり得ます(要確認)。
Q. 相続開始時に18歳になったばかりの場合、未成年者控除は使えますか?
A. 相続開始時点で18歳に達していれば、未成年者控除の対象にはなりません(18歳未満であることが要件です)。
Q. 障害者控除を受けるには、障害者手帳が必要ですか?
A. 一般的には障害者手帳の交付を受けていることが確認資料になりますが、手帳の交付を受けていなくても、一定の要件を満たせば対象になる場合があります(要確認)。
Q. これらの控除の申告漏れが多いのはなぜですか?
A. 他の主要な控除(配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例など)と比べて知名度が低く、対象者自身が制度の存在を知らないまま申告してしまうことが一因です。相続人に該当者がいる場合は、申告前に必ず確認することをお勧めします。
7. 世帯全体で見て初めて、本当の効果が分かります
計算をしてからご相談いただく必要はありません。まだ何も計算していない段階でお越しいただくのが、いちばんお役に立てるタイミングです。当事務所は岐阜県瑞穂市を拠点に、未成年者控除・障害者控除に関するご相談を承っています。対応できる内容はサービス・料金のページでもご案内しています。