1. 相続税は必ずかかるわけではない
相続税は、相続した財産の合計が「基礎控除額」を上回った場合にのみ発生します。基礎控除額を下回れば、申告も納税も不要です。
基礎控除額の計算
例:法定相続人が配偶者と子ども2人の場合
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
この場合、相続財産の合計が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。
2. 申告期限は亡くなった日から10か月
相続税の申告・納付の期限は、被相続人(亡くなった方)の死亡日の翌日から10か月以内です。例えば5月15日に亡くなった場合、翌年3月15日が期限となります。
10か月は長いようですが、戸籍謄本の取り寄せ・財産評価・遺産分割協議など、やることが多く、気づくと残り数か月になっていることもよくあります。特に農地や不動産が多い場合は財産評価に時間がかかるため、できるだけ早く相談することが重要です。
3. 農地・不動産の評価方法
相続税における農地・不動産の評価は、現金と異なり専門的な知識が必要です。
宅地の評価
路線価が設定されている地域(岐阜市など都市部)は路線価方式、設定されていない地域は倍率方式で評価します。倍率方式では、固定資産税評価額に国税局が定める倍率を乗じます。
農地の評価
農地は、原則として周辺農地の取引価格等をもとにした評価額(路線価・倍率)で評価しますが、農地の納税猶予制度を活用すると「農業投資価格」という低い価格での評価が可能です。
岐阜の農地は路線価が設定されていない地域が多く、倍率方式で評価されることがほとんどです。農業投資価格は倍率方式の評価額よりも大幅に低いため、制度の活用が節税の鍵になります。
4. 主な節税特例
相続税には、一定の要件を満たした場合に税額を大きく減らせる特例があります。
小規模宅地等の特例
被相続人が住んでいた自宅の土地330㎡まで評価額を80%減額できる制度です。例えば5,000万円の評価の土地が1,000万円に下がります。
配偶者の税額軽減
配偶者が相続する財産が「1億6,000万円以内」または「法定相続分以内」であれば、配偶者に相続税はかかりません。ただし二次相続(配偶者が亡くなるとき)の税負担も考慮した遺産分割設計が必要です。
農地の納税猶予
農業を継続する相続人が農地を取得した場合、農業投資価格を超える部分の相続税が猶予されます。詳細はこちら
5. 相続が発生したらまず何をするか
相続税の申告が必要かどうかに関わらず、まず以下の準備を始めてください。
- 戸籍謄本の収集(被相続人の出生から死亡まで)
- 通帳・預金残高証明書の取り寄せ
- 固定資産税課税明細書の確認
- 不動産の登記簿謄本の取得
- 農地については農業委員会に確認
「何から始めればよいかわからない」という方は、まず専門家にご相談ください。